【実体験】別居婚と同居を比較してのメリット・デメリットとは?

別居婚とは

「最近よく別居婚という言葉を聞くけどなぜ選ばれているの?」

「別居婚に興味はあるけど、周りに別居婚の経験がある人がいないから不安」

「別居婚を検討する上で注意点は?」

この記事をクリックしていただいたということは、上記のような疑問や悩みを抱えていませんか?

近年ニュース等で「別居婚」という言葉を耳にするようになりました。

気になり調べてみても、夫婦仲の悪化から別居しているケースが多く、欲しい情報が手に入らないことがありました。

今回は、経験談をもとに入籍時から別居婚を選択した理由、夫婦の視点からみた別居婚と同居生活のメリット・デメリット、別居婚を検討する上での注意点等をお伝えしていきます。

選択の参考材料にしていただけたら幸いです。

 

1.別居婚とは?

結婚をしていても、同居をしない「別居婚」という家族の形があります。

別居婚と単身赴任や不仲を原因に選択する別居との違いを聞かれると曖昧ですよね。

一言で別居婚と言ってもお互い実家暮らし、距離も国内と海外の遠距離など様々なスタイルがあります。

今回は、あえて同居を選択しない「別居婚」とは何かを「通い婚」「週末婚」との違いも含めて紹介していきます。

 

別居婚は婚姻関係を保ちながら別居生活を送る夫婦の形

別居婚は、夫婦が婚姻状態を保ちながら別居すること。ただし夫婦仲が悪化したことによる別居や、夫婦の一方が仕事などの都合により単身赴任となる場合は含まない。引用:Wikipediaと定義されています。

別居の仕方はお互い実家暮らし、一方が実家・もう一方が一人暮らし、お互い一人暮らしなどが挙げられます。

また、住む場所も同じ市内から国内と海外のように遠方のパターンもあり、多種多様です。

 

通い婚や週末婚も別居婚の一種

別居婚の他にも、週末婚という言葉も耳にします。

何が違うんだろうと疑問にわきますよね。

別居婚の一部として、通い婚や週末婚を捉えています。

通い婚は、夫婦が同居せず、夫または妻が時々相手の住まいを訪ねて何日か暮らす形式。
週末に会うことが多いため「週末婚」ということもある。引用:デジタル大辞泉と定義されています。

別居婚とは、お互いの生活を尊重した新しい結婚の形です。

別居婚の形も通い婚、週末婚と様々です。

結婚=同居という形にとらわれることなく、
お互いが状況に合わせてより良い生活の形を話し合っていくことが重要になります

2.別居婚の離婚率は?

別居婚と聞くと同居と比較して浮気しやすい環境のため、離婚のリスクが懸念されますよね。

実際どうなのか調べてみたところ、現状別居婚の離婚率は明らかになっていません

厚生労働省のデータとして明らかになっているのは、人口千人に対しての離婚率まででした。参考:厚生労働省

 

3.別居婚を選択した2つの理由

先ほどお伝えしたように、別居婚にも様々な形があります。

その分、選択する理由、タイミングも多種多様です。

私たちは、「環境の変化への不安」「仕事」を理由に入籍直後から半年間別居婚生活を送りました。

同居に対する不安や重要視したことが書かれているため、別居婚を選択肢の一つとして検討されている方の考えの整理に役立てられたら幸いです。

 

①遠距離ならでは同棲で職と住居を失う不安
②仕事を区切りが良いところまでやり遂げたい

上記の2つが大きな理由です。

 

①遠距離ならでは同棲で職と住居を失う不安

入籍前、相手の転職により新幹線で片道2時間の遠距離生活を送っていました。

お互いフルリモートワークではないため、
同居するにはどちらかが仕事を辞めるしか方法がありません。

退職後に新天地で同棲生活を送り、破局したらどうしよう…と頭を抱えました。

「同棲」という不確かな状態での退職・引っ越しという選択に後悔をしたくないという思いが強かったです。

 

②仕事を区切りが良いところまでやり遂げたい

入籍するにあたって、退職することは決まっていました。

退職を決断する上で、国家資格を保有しており転職しやすい業界であることが後押しをしてくれました。

また、キャリアチェンジを考えている時期であったことも要因の一つです。

上司へ入籍と退職の報告をする前に、新たな仕事の打診がありました。

新たな仕事に携わりたく、中途半端な状態での引き継ぎは自分の中で納得が出来ません。

夫と話し合い、別居婚の期間を延長しました。

自分の性格上、退職の区切りをつけておくことが重要でした。

期限を明確にしておくことは、相手側の安心感に繋がり、今後の話し合いもスムーズになります。

 

4.別居婚と同居生活を比較してのメリット・デメリット

入籍直後から半年間の別居婚と同居生活を比較して、夫とともに女性目線、男性目線からメリット・デメリットを考えました。

参考にしたいけど、なかなか周りの人に聞きにくい実体験や税金・保険について紹介しています。

 

別居婚のメリット「自由

私「自分のペースで生活を送れる」
夫「好きな時にアニメを観ることが出来る」

お互いに別居婚のメリットとして「自由」を挙げています。

同居生活では、家事の分担や集中したい時の音への配慮が必要です。

家庭内の役割や生活のリズムのズレから窮屈さを感じることもあります。

人的な部分では家事の分担や相手への配慮、
物理的な部分で部屋数の考慮や時短家電の導入などが必要性を感じました。

 

別居婚のデメリット
コミュニケーションの課題」「金銭面

私「文面上でのコミュニケーションが難しい」
夫「会うのにお金がかかる」

「文面上でのコミュニケーションが難しい」

会う頻度が少ないため、連絡は基本的に文面が中心でした。

文面のみでは声のトーンが分からず感情を読み取りにくいです。

重要な話をする際は、電話での連絡や会った際に話すことを意識していました。

 

「会うのにお金がかかる」

交通費に関しては、距離によるかと思います。

皆さんが気になる金銭面については、元々お互いに一人暮らしをしていたこともあり、入籍前と別居婚後を比較して大きく変わりませんでした。

 

税金や保険等で考慮する点として、配偶者控除、相続税、扶養控除が挙げられます。

制度として別居婚のため、利用できないということはありません。

別途でまとめて記載しているため、気になる方は目を通してみてください。

 

金銭面について

■配偶者控除

控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は対象外です。

控除対象配偶者は、年間の合計所得金額が48万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)であることとされています。

※2025年12月に行われる年末調整から税制改正により年間の合計所得金額が48万→58万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万→123万円以下)に引き上げられます。

 

納税本人の合計所得金額 控除額()内は70歳以上の方の控除金額
900万円以下 38万(48万)
900万円超950万以下 26万(32万)
950万超1,000万以下 13万(16万)

参考:国税庁

 

■配偶者特別控除

控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者特別控除は対象外です。

配偶者に48万円以上の所得があり、配偶者控除が受けられない場合も配偶者の所得金額に応じて一定の金額の所得控除が受けられる制度です。

対象者は、年間の合計所得金額が48万円超133万円以下の場合に限ります。

※2025年12月に行われる年末調整から税制改正により年間の合計所得税48万→58万円に引き上げられます。

 

控除を受ける納税者本人の合計所得
配偶者の合計所得 900万以下 900万超950万以下 950万超1,000万以下
58万超95万以下 38万 26万 13万
95万超100万以下 36万 24万 12万
100万超105万以下 31万 21万 11万
105万超110万以下 26万 18万 9万
110万超115万以下 21万 14万 7万
115万超120万以下 16万 11万 6万
120万超125万以下 11万 8万 4万
125万超130万以下 6万 4万 2万
130万超133万以下 3万 2万 1万

 

Q.事実婚の場合は配偶者控除の対象になるか?

A.事実婚の相手は対象にはなりません。民法の規定により、効力が生じた婚姻に基づく配偶者をいいます。

 

Q.納税者と生計を一にしていることは別居婚は対象外になるのか?

A.必ずしも同居を要件とするものではありません

例えば、勤務の都合上別居している状態であっても、余暇には起居を共にすることを条例としている場合や常に生活費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われています。

※送金の証明が必要になる可能性があります。

参考:国税庁

 

■社会保険(健康保険)での扶養

対象者:配偶者(事実婚でも可能)同居の有無は問いません

別居婚(同一世帯でない場合)は、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であり、かつ被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、被扶養者となります。

参考:全国健康保険協会

 

■相続税

①配偶者の税額軽減

国税庁から、同居の条件は記載されていませんでした

参考:国税庁

 

②特定居住用宅地等の要件

相続税の計算において、被相続人が住んでいた宅地を相続した場合に、一定の要件を満たすことで土地の評価額を減額できる制度です。

被相続人の配偶者は「取得者ごとの要件はありません」と記載されていました。

参考:国税庁

※このページは国税庁や全国保険協会公表の情報を参考に作成したもので、法的助言ではありません。改正等変更される場合があるため、事前に必ず最寄りの窓口へご確認ください。

 

同居生活のメリット「生活の豊かさ

私「生活のメリハリがつく」
夫「人の作ったごはんが食べられる」

「生活にメリハリがつく」

別居婚のメリットと相反しますが、自由が少ない分怠惰に過ごす時間が減少します。

食事の時間や就寝時間など、生活リズムに歩み寄りが必要になったことが要因です。

一人暮らしの時と比べて、疲れて寝落ちすることが無くなりました。

 

「人の作ったごはんが食べられる」

私も実家暮らしの時、晩御飯を楽しみに帰宅していました。

自分で作ると楽しみがないですよね。

 

同居生活のデメリット「家事の負担

私「家事の分担が難しい」
夫「洗い物の量が増えた」

お互いにデメリットとして「家事の負担」を挙げています。

一人暮らしでは外注しない限り、自分しか行う人がいません。

タイミングや程度は良くも悪くも自分次第でした。

相手がいるとそれぞれの衛生観念があり、タイミングや程度のすり合わせが必要です。

同居であると、家事の役割分担という新たな問題も出てきます。

 

 

お互いに一通り家事が出来ることもあり、
男女の違いによるメリット・デメリットに大きな違いはありません。

別居婚のメリットは「自由」、同居のデメリットとして「家事の負担」が挙げられます。

同居生活では、家事の分担や集中したい時の音への配慮が必要です。

工夫として、人的な部分では家事の分担や相手への配慮、物理的な部分で部屋数の考慮や時短家電の導入などが必要です。

 

別居婚のデメリットである「コミュニケーションの課題」は、同居でもないがしろには出来ません。

別居婚では会う頻度が少ないため、大切な話は対面で行うことを意識していました。

また話し合いの際は、特に言葉以外の表情、声のトーンなどが重要です。

 

税金や保険等の金銭面について、別居婚を理由に制度が使えないことはありません。

「生計を一にする」の条件に、余暇には起居を共にすることを条例としている場合や常に生活費等の送金が行われている場合と記載がありました。

送金の証明が必要となる場合があります。

 

5.別居婚を検討する上での注意点

別居婚の提案を受けた側は驚くことも多いでしょう。

建設的に結婚の形とふたりの人生設計を考える上で

①別居婚を提案する明確な理由
②あらかじめ期間を設定
③子供のことも考えておくことの3点が重要です。

あらかじめ話し合うことで、提案を受けた側や親の安心感へ繋がります。

詳細も含めて説明しています。良ければ、目を通してみてください。

 

①別居婚を提案する理由を明確に

一方の意見だけで決めることが出来ないため、事前の話し合いが重要になります。

結婚=同居生活と考えている方からすると驚くことも多いことでしょう。

理由を言語化出来ていると、
提案を受けた側も意見を受け入れやすく別居婚以外の解決案を提示しやすいです。

双方の意見があるため、広い選択肢を持つことが重要です。

 

②あらかじめ期間を決めておく

期間を決めておくことで、一定期間の生活を振り返るタイミングが出来ます。

経験から別居婚の継続か同居生活へ切り替えるか検討がしやすいです。

 

③子供を授かった際のことも話し合っておく

親や女性側の懸念点として上がりやすい項目かと思います。

夫婦のみの別居婚とお子さんがいる状態での別居婚では、本人・お子さんの体調、金銭面、生活スタイルに変化があります。

周囲の協力や利用できるサービス資源が必要になります。選択肢として別居婚の継続、里帰り、同居が考えられます。

事前に話し合っておくことで、自分たちも親も対応しやすいです。

 

別居婚を提案する理由を明確にしておくことで、原因に対して別のアプローチが考えられます。

お互いの妥協点を探る上で重要です。

あらかじめ別居婚の期間を決めておくことで、
「いつまでこの生活が続くのだろう」という不安が少なくなり、再度経験を基に話し合う機会になります。

子供を授かった時は、大きく生活の変化が起こります。

生活の変化も視野に入れて別居婚の検討が重要です。

話し合いを重ねて、お互いに安心できる結婚の形を検討しましょう。

 

6.別居婚に向けて準備すること

別居婚という形で婚姻届を提出する際の
「どこで婚姻届けを出したら良い?」
「同居を始めた時は欄はどうする?」などの疑問にお答えしています。

気になる際は目を通してみてください。

 

■婚姻届け

提出先:どこでもOK

夫となる方または妻となる方の本籍地、住所地、所在地(一時滞在地を含む)のいずれかの市区町村役所戸籍担当へ持参するか、または郵送

一時滞在地も含まれるため、旅行先や思い出の場所でも提出可能です。

参考:神戸市公式サイト

 

必要なもの:本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)

※外国人の方と婚姻される場合は別途必要書類があるため、役所等への問い合わせが必要です。

※判子は必須でなく、押印は任意となります。

※2024年3月1日以降であれば戸籍謄本(戸籍に記載されている全員分の身分事項が記載されている)は原則不要です。

一部の市区町村では戸籍の電子化が完了していないため、届出先の市区町村が戸籍情報を確認できないことがあります。

これまで通り戸籍謄本の添付が必要なため、事前に確認しておくとスムーズです。

参考:中央区ホームページ

 

疑問点:夫婦である以上は、本籍地は同一となります。

本籍地と住所が一緒である必要はありません。

お互い一人暮らしの際は、それぞれが世帯主になります。

「同居を始めたとき」を記載する欄がありますが、別居婚の際は空白で構いません。

参考:大泉町公式ページ  豊田市公式ホームページ

 

■住民票

婚姻届提出後より、氏名や本籍地の変更が反映されます。

住所が変わらない際は、変更手続きは不要です。

参考:所沢市ホームページ

 

婚姻届の提出場所はどこでも可能です。

本籍地は夫婦で同一となりますが、本籍地と住所は別で構いません。

婚姻届の記入欄の「同居を始めたとき」は空欄で提出可能です。

お互いに一人暮らしの際は、それぞれが世帯主のままであり、住所が変わらない際は住民票の変更は不要です。

役所の方に別居婚であることを伝えると変更手続きの話はスムーズでした。

※このページは各市区町村の情報を参考に作成したもので、法的助言ではありません。変更される場合があるため、事前に必ず最寄りの窓口へご確認ください。

 

7.まとめ

■別居婚を選択した理由は、
環境の変化への不安」「仕事

■別居婚のメリットは一人暮らしの「自由
デメリットは「コミュニケーションの課題」「金銭面

別居婚を検討するにあたって歩み寄り話し合いが重要!

 

今回は別居婚を選択した理由、別居婚と同居生活を比較してのメリット・デメリット、検討する上での注意点等をまとめました。

皆さんの参考材料となれば幸いです。

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